Monday, February 08, 2010

KIYOSHIRO

HEPファイブで開催されている忌野清志郎の個展に行ってきました。

会場に入るとズラー―っとLPジャケットが並んでいて自然と
顔がほころんじゃう。どのジャケットにもその時代の匂いがする。

私と同世代のヒトにとって、しかも邦楽が好きだったヒトにとって
清志郎の声や姿って、空気のように風景のようにあると思う。
どのジャケットもレコード屋で目にしているし
GBとかロッキンオンとか宝島とかのページで馴染みがあって、
その頃の自分を含んだその時代の空気が漂ってるのね。

清志郎は小学生の私にはおっちゃんでした。
中学生の私にはミュートマの中で過激でした。
高校生の私には大好きな美術の先生のことを歌ってくれているヒトでした。
予備校生の私には反骨精神を煽ってくれました。
大学生の私には、青春のBGMでした。

どの時代にも空気のように流れながら、
その時代にアンカーを打つ音楽やったなって思う。

初めて生でライブを目にしたのはたぶん高1の夏のジャムジャムかな。
考えてみればあれが人生初の夏フェスだったのかも。
安治川の端っこ(もしや今のUSJのあたりか?)で、
コンクリートの照り返しが暑くて暑くて、
自販機ひとつなくってヤクルトのおばちゃんがバカ売れしていた。

キヨシロー展の向こうにはそんな時代が見えたのでした。


展示の中にはニーサンズ時代のものも結構あったので
イノウエの大好きなギターパンダの山川のりをさんの姿も
あっちゃこっちゃにあって、『あ!いた』『あ!またいた!』と
ジャケットやらポスターやら眺めながらニコニコしちゃった。

いまのこの時代の音楽を、しっかり大切に聴いていきたいな。


そして『個展』と銘打っているだけあって、絵を描く人としての
清志郎の『作品』が会場の半分を占めていたんだけれども、
その作品は清志郎という固体が『音』で抽出されているのか、
『絵』で抽出されているのか、という感じでした。

でもやっぱり私にとって、おそらくほとんどのヒトにとって
清志郎は圧倒的にミュージシャンやな。

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